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継いだ兄弟と継がない兄弟、家族で揉めない財産の分け方とは

「弟は会社を継いで社長になった。じゃあ実家の土地や株は、継がなかった自分にはどう分けられるんだろう」——事業承継の相談で、兄弟姉妹からこの疑問をよく耳にします。会社を継ぐ・継がないは決まっても、財産の分け方は曖昧なまま、という家庭は少なくありません。

会社を継いだ兄弟と継がなかった兄弟、なぜ財産分けで揉めやすいのか

事業承継における財産分与が難しいのは、会社の株式や事業用不動産が「分けにくい財産」だからです。現金であれば人数で単純に分割できますが、株式を分割してしまうと経営権が分散し、会社の意思決定が滞るおそれがあります。そのため、継いだ兄弟に株式や不動産を集中させ、継がなかった兄弟には現金や他の資産で調整するケースが一般的です。しかし、この「調整」の金額や方法について家族内で明確な合意がないまま代替わりが進むと、後になって「自分だけ損をした」という不満が生まれやすくなります。日本政策金融公庫の調査(2025年版)でも、事業承継後のトラブルの一因として「相続・財産分与に関する家族間の認識のズレ」が挙げられています。

遺留分と特別受益 ― 知っておきたい法律の考え方

兄弟間の財産分けを考えるうえで欠かせないのが「遺留分」と「特別受益」という考え方です。遺留分とは、法定相続人に最低限保障された相続分のことで、会社を継ぐ兄弟に株式を集中させた結果、他の兄弟の遺留分を侵害してしまうと、後から遺留分侵害額請求という形でトラブルに発展することがあります。また、生前に住宅資金の援助や独立開業の資金提供などを受けていた場合は「特別受益」として相続財産に持ち戻して計算されることもあります。こうした法律上のルールを家族全員が正しく理解しないまま話し合いを進めると、感情的な対立に発展しがちです。中小企業庁が公表する事業承継ガイドラインでも、遺留分に配慮した株式承継の設計が重要な論点のひとつとして位置づけられています。

実務でよく使われる3つの分け方の工夫

実際の現場では、いくつかの工夫によって兄弟間のバランスを取ることが多くあります。ひとつは「代償分割」で、会社を継ぐ兄弟が他の兄弟に対して現金で差額を支払う方法です。もうひとつは、経営者を受取人とする生命保険を活用し、死亡保険金を代償資金の原資にする方法。さらに、事業用資産と個人資産(自宅や預貯金など)を切り分けて整理し、継ぐ側と継がない側でそれぞれ納得できる組み合わせを事前に設計しておく方法もあります。いずれの方法も、早い段階で税理士や弁護士などの専門家を交えて試算しておくことが、後々の認識のズレを防ぐポイントです。

対立ではなく協働で ― 家族会議での進め方

財産の話は、どうしても「取り分」の議論になりがちですが、事業承継がうまくいく家庭に共通しているのは、対立ではなく協働の姿勢で話し合いの場を持てていることです。継ぐ兄弟だけで決めるのではなく、継がない兄弟も交えて「なぜこの分け方にするのか」という理由を共有することが、後の納得感につながります。家族目線で考えれば、財産の多い少ないだけでなく、「これまで誰が親の面倒を見てきたか」「今後誰が会社を支えるか」といった貢献も含めて話し合うことが大切です。一度にすべてを決めようとせず、複数回に分けて家族会議を重ねることも有効です。

専門家に相談するタイミングと窓口の選び方

財産分けの話し合いは、後継者が実務を引き継いだ「後」ではなく、承継の方針が固まる「前」に始めるほど選択肢が広がります。税理士は株式評価や相続税シミュレーション、弁護士は遺留分や遺言書の設計、金融機関は代償資金の融資相談など、それぞれ得意分野が異なるため、早い段階で複数の窓口に相談しておくと安心です。帝国データバンクの調査でも、後継者不在や親族間の調整不足が事業継続のリスク要因として繰り返し指摘されており、財産分けの準備は経営の安定にも直結するテーマといえます。専門家に相談する際は、継ぐ兄弟・継がない兄弟の双方が同席し、同じ説明を同じタイミングで聞くようにすると、後から「聞いていた・聞いていない」という食い違いを防げます。

財産の分け方に「絶対の正解」はありません。ただ、早めに話し合いの土台を作り、専門家の力も借りながら進めることで、家族の関係を壊さずに事業承継を終えることは十分可能です。つぐひとでは、こうした兄弟間の財産分与についての無料相談を行っています。まずは家族での話し合いの参考に、無料の「家族会議ハンドブック」もあわせてご活用ください。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の法律・税務判断については税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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本記事は、株式会社C&Cが運営する事業承継メディア「つぐひと」が独自に作成したものです。
具体的な税務・法務判断は、必ず弁護士・税理士・M&Aアドバイザー等の専門家にご相談ください。

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