「親の会社、このままで大丈夫だろうか」
そう思いながら、もう何年も口に出せていないご家族は、実はとても多いです。
つぐひとに寄せられるご家族からのご相談で、一番多いのは——
「どう話し出せばいいんでしょうか」というお声です。
切り出しにくいのは、当然です。会社の話は、お金・親の老い・家族の責任、すべてに繋がる重い話だから。
でも、聞かないままだと、選択肢がどんどん狭まっていきます。
この記事では、ご家族が自然に「会社をどうしたい?」と切り出せる5つのタイミングと、聞き方の3つのコツをまとめました。
タイミング① 親が大きな節目の年齢を迎えた時(70歳・75歳・喜寿)
「70歳のお祝い」「喜寿」など、誕生日のお祝いの席は、人生の節目を考える自然な瞬間です。
本人も「これからどうしようか」と考え始めるタイミングなので、こちらから切り出さなくても、相手から話が出ることもあります。
もし向こうから話が出なければ、こうした言い方で十分です:
「70歳おめでとう。
お父さん、これから会社、どうしようと思ってる?
一緒に考えたいなと思って。」
「会社を売りなさい」でも「廃業しよう」でもなく、「一緒に考えたい」と伝えるのが鍵です。
タイミング② 大病や入院から復帰した時
「親の入院」は、家族にとって最も心配な瞬間であり、同時に、本人も「自分の人生」を真剣に考えるタイミングです。
退院直後、まだ仕事に戻れていない段階で、こんな話がしやすくなります:
「お父さん、お疲れさま。
無理しないでほしいから、
会社のこと、今後どうしたいか教えてほしい。」
注意点は、入院・退院直後は本人が弱っているので、「責める形」「決断を迫る形」では絶対に切り出さないことです。
あくまで「心配しているから」「一緒に整理したいから」というスタンスで。
タイミング③ 取引先・知人の会社が承継・売却・廃業したニュースが出た時
「○○商事が大手に売却されたらしい」
「△△工務店、後継者がいなくて廃業したって」
こうしたニュースが、親御様の周りでも必ず出てきます。
親も気にして読んでいることが多いので、これを話のきっかけにできます:
「△△工務店、廃業したって聞いた。
うちの会社は、どうするつもり?
もし良かったら、選択肢だけでも整理しておかない?」
「他人の会社の話」から始めるので、相手も警戒せずに会話できます。
「決めなくていい、選択肢を整理するだけ」という姿勢が、一番効きます。
タイミング④ 親族の集まり(法事・正月・お盆)で話題が出た時
法事や正月の集まりで、親戚が「お父さんの会社はどうするの?」と話題を振ってきた瞬間も、絶好の機会です。
その場で深い話にする必要はありません。
翌日や数日後に、こんな形で振り返るのがおすすめです:
「昨日叔父さんが言ってた話だけど、
会社のこと、お父さんは本当はどう思ってる?
聞きたいなと思って。」
「親戚が言ってた」というクッションがあるので、子からの直接的な切り込みに見えません。
ちなみに、つぐひとには「家族で書き込める事業承継ハンドブック」(無料・A4 20ページ)があります。
親族の集まりの席で「これ、もらってきたんだけど」と一緒に開く——という使い方をされている方が増えています。
タイミング⑤ 親の会社で「気がかりな兆候」を感じた時
具体的には:
- 取引先や従業員の数が、明らかに減ってきている
- 親が「最近、体力的にきつい」とつぶやくようになった
- 後継者候補(兄弟・社内)の話を一切しなくなった
- 銀行や税理士との会話に、家族を入れなくなった
こうした兆候は、たいてい本人も気づいています。
ただ、自分から家族に切り出すのが難しい——「迷惑をかけたくない」と思っているからです。
こちらから、優しく問いかけてあげる必要があります:
「最近、お父さんが疲れて見える。
会社のこと、ひとりで抱え込まないでほしい。
家族で一緒に整理しよう。」
「抱え込まないでほしい」という言葉が、親の肩の荷を一番下ろします。
聞き方の3つのコツ
どのタイミングで切り出すにしても、共通する3つのコツがあります。
コツ① 「決めて」ではなく「整理しよう」と伝える
「売るのか、続けるのか、廃業するのか、決めて」ではなく、
「選択肢を、まず一緒に整理しよう」と伝える。
これだけで、親の心の重さが、半分以下になります。
コツ② 「あなたのため」ではなく「家族のため」「私が知りたい」と言う
「お父さんのため」と言われると、親はかえって警戒します。
「私が知っておきたいから」「家族で考えたいから」のほうが、ずっと届きます。
コツ③ 一度で答えを求めない。続きは、また話そう。
会社の話は、1回で結論が出るものではありません。
「今日はここまでで、続きはまた話そう」と区切ること。
毎回30分でも、3回続ければ、自然と話は前に進みます。
切り出せないなら、ハンドブックから始める
それでも「自分の言葉では切り出せない」という方には、つぐひとがご家族向けに作った「家族で考える事業承継ハンドブック」をおすすめします。
A4 / 20ページ、家族で書き込めるワークシート付き。
「これ、もらってきたんだけど一緒に読んでみない?」と渡すだけで、自然に会話が始まります。
LINEで友だち追加すると、すぐに受け取れます。完全匿名・無料です。
「親と話せない」状態が長引くほど、選択肢は減ります。
1回でも、5分でも、今日から動き出してみてください。
執筆:株式会社C&C / つぐひと編集部
家族目線で、事業承継の入口を整理するメディア。
無料相談は /contact/ へ。
本記事は、株式会社C&Cが運営する事業承継メディア「つぐひと」が独自に作成したものです。
具体的な税務・法務判断は、必ず弁護士・税理士・M&Aアドバイザー等の専門家にご相談ください。