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親の物忘れに気づいたら?会社を守るために家族がすぐやるべき3つのこと

「最近、同じ話を何度もするな」「大事な約束を忘れることが増えた」——経営者である親にそんな変化を感じたとき、多くの家族は戸惑いながらも「気のせいかもしれない」とやり過ごしてしまいがちです。しかし経営者の物忘れは、家庭内だけの問題ではなく、会社の存続に関わる経営課題でもあります。家族目線で、今日からできる備えを一緒に考えていきましょう。

なぜ「経営者の物忘れ」が会社にとって一大事なのか

帝国データバンクの「全国『社長年齢』分析調査(2025年)」(2026年2月発表)によると、全国社長の平均年齢は60.8歳となり、1990年の54.0歳から35年連続で過去最高を更新し続けています。退任した社長の平均年齢は68.5歳、就任した社長の平均年齢は52.8歳で、経営者の高齢化は業種を問わず進行中です。

さらに中小企業庁「2025年版中小企業白書」では、2025年までに引退の目安とされる70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人にのぼり、その約半数にあたる127万者が後継者未定と分析されています。経営者本人が元気なうちは表面化しにくい認知機能の変化も、会社の年齢構成を踏まえれば「いつか起こるかもしれないこと」ではなく「誰にでも起こりうること」として捉える必要があります。日本政策金融公庫の調査(2023年)でも、事業承継の準備を「まだ始めていない」と回答した企業が多数を占めており、多くの会社が備えの途中にあるのが実情です。

物忘れが引き起こす、会社の具体的なリスク

民法3条の2は、意思能力を欠く状態で行われた法律行為は無効になると定めています。経営者が認知機能の低下により契約内容を正しく理解・判断できないと事後的に判断された場合、取引先との契約そのものが無効とされるリスクがあります。長年築いてきた取引先からの信用にも影響しかねません。

また、経営者本人名義の預金が金融機関の判断で凍結され、運転資金の引き出しができなくなるケースや、株式を保有する経営者本人の議決権行使ができず、重要な経営判断が止まってしまうケースも報告されています。加えて、法定後見制度により経営者が成年被後見人となった場合、会社法上、取締役としての資格を自動的に失うため、後任の代表者選定を後見人が主導することになり、家族の意向がすぐには反映されない事態も起こり得ます。法定後見は開始までに一定の時間がかかることが多く、その間に経営判断が滞る可能性がある点も見落とせません。

家族が今日からできる3つの備え

1つ目は、変化に気づいた時点で家族内の記録を始めることです。「いつ、どんな場面で、何を忘れていたか」を日付とともにメモしておくだけでも、後日医師や専門家に相談する際の重要な手がかりになります。一人で抱え込まず、兄弟姉妹や配偶者とも変化の記録を共有しておくと、判断のばらつきを防げます。

2つ目は、会社の重要書類・口座・契約関係を家族で把握しておくことです。決算書、通帳、取引先との契約書、印鑑の保管場所、顧問税理士や取引銀行の連絡先などを一覧にしておくと、いざという時に家族が慌てずに対応できます。経営者本人だけがすべてを把握している状態を減らすことが、会社と家族を守る第一歩です。

3つ目は、任意後見制度や家族信託、事業承継計画について専門家に早めに相談することです。判断能力が十分にあるうちであれば、経営者本人の意思に沿った形で財産管理や経営権の承継方法を選べますが、症状が進んでからでは選択肢が大きく狭まってしまいます。「まだ大丈夫」と思える今のタイミングこそ、動きどきだといえます。

相談先は一つに絞らなくていい

事業承継やお金の話というと税理士や弁護士を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際には状況に応じて複数の専門家の力を借りることになります。財産管理や後見制度については司法書士や弁護士、会社の契約・株式については弁護士や公認会計士、日々のお金の流れについては顧問税理士や取引銀行、そして地域の商工会議所や事業承継・引継ぎ支援センターも無料相談の窓口として活用できます。

どこに相談すればよいか迷う場合は、まず家族の状況を整理したうえで、事業承継全体を横断的に見てくれる相談先に最初の一歩を相談してみるのも一つの方法です。窓口をたらい回しにされる不安を減らせます。

対立ではなく、家族目線での話し合いを

親の物忘れについて切り出すのは、家族にとって勇気のいることです。「経営から退いてほしい」という否定のメッセージではなく、「一緒に会社と家族を守りたい」という家族目線の協働の姿勢で伝えることが、親の心を開く第一歩になります。

一度にすべてを決めようとせず、「まずは書類の場所だけ教えてほしい」「かかりつけ医に一緒に行ってみない?」など、小さな一歩から始めるのがおすすめです。家族だけで抱え込まず、士業や事業承継の専門家といった第三者を交えることで、感情的になりすぎずに話を進めやすくなります。

今すぐ動ける、家族のための3つの一歩

親の物忘れへの気づきは、決して縁起でもない話ではなく、家族が会社と親自身を守るための大切なきっかけです。つぐひとでは、家族目線に立った事業承継の無料相談を行っています。まずは「家族の備えハンドブック」で、今すぐ確認しておきたいポイントを整理してみませんか。

立場によって気になるポイントは異なります。あわせてご覧ください:
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本記事は情報提供を目的としたものであり、法律・税務・医療に関する個別の助言ではありません。実際の対応については、弁護士・司法書士・税理士・医師など専門家にご相談のうえ、具体的な判断を行ってください。

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本記事は、株式会社C&Cが運営する事業承継メディア「つぐひと」が独自に作成したものです。
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