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事業承継ファンドとサーチファンドの違い|後継者不在オーナーが知るべき2つの選択肢

「事業承継ファンド」と「サーチファンド」——最近よく耳にするようになりましたが、どちらも「外部の人・資金が会社を引き継ぐ」仕組みという印象から混同されがちです。しかし、目的・仕組み・経営者との関係は大きく異なります。売却を検討しているオーナー経営者にとって、どちらが自社に合うかを理解することは、家族を守るためにも重要な判断です。本記事では両者の違いを整理します。

事業承継ファンドとは——既存企業の「安定継続」を支援する

事業承継ファンドは、後継者不在の中小企業に投資し、経営を立て直したうえで次の担い手に渡すことを目的とした投資ファンドです。主な運営主体は地方銀行系・証券系・政府系(中小企業基盤整備機構など)のプレーヤーが中心で、日本政策投資銀行(DBJ)地域経済活性化支援機構(REVIC)も積極的に関与しています。

典型的なスキームは次の通りです:

  1. ファンドが株式を取得(全部または一部)し、オーナーから経営権を引き受ける
  2. ファンドがハンズオン支援(管理部門強化・デジタル化・後継者育成)を行う
  3. 3〜7年後に、適切な後継者(MBO、別のM&A、従業員承継)へバトンタッチ

中小企業庁「2023年版 中小企業白書」によると、後継者不在を理由とする廃業が年間約6万件に達しており、事業承継ファンドはこの「廃業予備軍」を救う受け皿として機能が期待されています。

オーナーにとってのメリットは、まとまった売却対価を得ながら、雇用・ブランド・取引先を守れる点です。一方、経営から完全に引くことになるため「会社がどうなるか不安」という心理的ハードルがあります。家族目線では、事前にどの程度関与できるかを交渉で確認しておくことが重要です。

サーチファンドとは——「個人の後継者候補」が経営者になる

サーチファンドは、1980年代にアメリカのスタンフォード大学で生まれた仕組みで、日本では2015年頃から普及が進んでいます。「サーチャー」と呼ばれる若手のビジネスパーソン(30〜40代が中心)が、投資家の資金を借りて事業を探索(サーチ)し、気に入った企業を買収して自ら経営者になるモデルです。

フローは以下の通りです:

  1. サーチャーが数社の投資家(エンジェル・VC)から探索資金(数百万〜1,000万円程度)を調達
  2. 1〜2年かけて買収対象企業を探す
  3. 気に入った企業が見つかれば買収資金(数億円規模)を追加調達し、株式を取得
  4. サーチャー自身が社長に就任し、ハンズオンで経営改革を行う

帝国データバンクの調査(2023年)によると、日本のサーチファンド案件は年間50〜80件ペースに増加しており、地方の製造業・IT・サービス業などに広がっています。

オーナーにとってのメリットは、「次の経営者」の顔が見えること——特定の個人が熱意を持って承継してくれるため、従業員や取引先への説明がしやすいです。家族的な絆を重視する地方の老舗企業には「ファンドより人間味がある」と評価されることも多い選択肢です。

両者の違いを一覧で整理する

以下に主要な違いをまとめます:

比較項目 事業承継ファンド サーチファンド
買い手 ファンド法人 個人(サーチャー)
経営者 ファンドが選定・派遣 サーチャー本人が就任
売却対価 比較的高め(機関投資家水準) 個人調達のため交渉次第
関係の継続性 一定期間後に再度バトンタッチ サーチャーが長期経営
向いている企業規模 売上1億〜数十億円 売上数千万〜数億円
人間的つながり 組織対応 個人対応・顔が見える

どちらを選ぶべきか——家族視点の判断軸

選択に迷ったとき、家族目線では次の問いが有効です:

どちらの方式も「後継者不在でも廃業しなくていい」という選択肢です。大切なのは、オーナー一人で決めず、家族と一緒に選択肢を比較することです。

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事業承継ファンド・サーチファンドのどちらが自社に向いているか、まずは専門家に相談してみることをお勧めします。つぐひとでは、売却方針の整理から候補先の紹介まで、無料でご相談をお受けしています。

立場別の詳細は オーナー向けページ後継者向けページ もご参照ください。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の投資・財務判断については専門家にご相談ください。


本記事は、株式会社C&Cが運営する事業承継メディア「つぐひと」が独自に作成したものです。
具体的な税務・法務判断は、必ず弁護士・税理士・M&Aアドバイザー等の専門家にご相談ください。

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